【新リージョン】AWSにロンドン リージョンがオープンしました!
大栗です。
本日EUにAWSの新しいリージョンがオープンしました。1年前からアナウンスされていましたが、ロンドンリージョンがオープンしました!
Announcing the AWS Europe (London) Region
ロンドンリージョンで利用できるサービス
ロンドンリージョンで使用できるサービスをRegion Tableから確認してみると、以下の38サービスが対応していると出ています。(2016年12月14日13時現在)
なおロンドンリージョンのコードはeu-west-2
となっています。
- Amazon CloudWatch
- Amazon CloudWatch Logs
- Amazon DynamoDB
- Amazon EC2 Container Registry (ECR)
- Amazon EC2 Container Service (ECS)
- Amazon ElastiCache
- Amazon Elastic Block Store (EBS)
- Amazon Elastic Compute Cloud (EC2)
- Amazon Elastic MapReduce
- Amazon Glacier
- Amazon Kinesis Streams
- Amazon Redshift
- Amazon Relational Database Service (RDS)
- Amazon Simple Notification Service (SNS)
- Amazon Simple Queue Service (SQS)
- Amazon Simple Storage Service (S3)
- Amazon Simple Workflow Service (SWF)
- Amazon Virtual Private Cloud (VPC)
- Auto Scaling
- AWS Certificate Manager
- AWS CloudFormation
- AWS CloudTrail
- AWS CodeDeploy
- AWS Config
- AWS Database Migration Service
- AWS Direct Connect
- AWS Elastic Beanstalk
- AWS Key Management Service
- AWS Marketplace
- AWS OpsWorks Stacks
- AWS Personal Health Dashboard
- AWS Shield Standard
- AWS Snowball
- AWS Snowmobile
- AWS Storage Gateway
- AWS Support
- Elastic Load Balancing
- VM Import/Export
新リージョンとしては多数のサービスが一緒にローンチされていますが、利用頻度が高いサービスでもCloudWatch EventsやEC2 Systems Managerはまだ対応していないようです。
注目はSnowmobileに最初から対応している事ですね!
EC2
ロンドンリージョンで起動できるインスタンスタイプは、以下のようになっています。(2016年12月14日13時現在)
- マイクロインスタンス
- t1
- 汎用
- t2
- m4
- コンピューティングの最適化
- c4
- メモリ最適化
- x1
- ストレージの最適化
- d2
基本的に最新世代を揃えてありますが、少し気になる点もあります。
- メモリ最適化の対応がX1のみでR3が無い。
- ストレージの最適化ではHDDだけでSSD搭載のI2が無い。
ネットワークレイテンシの確認
ロンドンリージョンのネットワークレイテンシを測ってみます。比較のために弊社岩本町オフィスからヨーロッパの各リージョン、東京リージョンからヨーロッパの各リージョン、ロンドンリージョンから他のヨーロッパの各リージョンを計測してみました。
計測にはnetperfを使用しており、起動したEC2はt2.microです。
netperf -t omni -p 10000 -H 198.51.100.1 -- -d rr -T UDP -k MIN_LATENCY,MEAN_LATENCY,P90_LATENCY,P99_LATENCY,MAX_LATENCY,STDDEV_LATENCY
弊社岩本町オフィスから計測
弊社オフィスから計測すると、以下のようになります。
ヨーロッパの各リージョンは最短で240msですが最大で2,000ms以上かかっています。データの標準偏差もヨーロッパでは極めて大きい数値が出ており、レイテンシのばらつきが大きいことが分かります。
リージョン | 東京 | ロンドン | アイルランド | フランクフルト |
---|---|---|---|---|
MIN_LATENCY (最小値 µs) | 4176 | 242993 | 263267 | 257659 |
MEAN_LATENCY (平均値 µs) | 5963.9 | 541478.5 | 753525.15 | 539530.78 |
P90_LATENCY (90パーセンタイル µs) | 7141 | 1200000 | 1500000 | 580000 |
P99_LATENCY (90パーセンタイル µs) | 12333 | 1400000 | 1600000 | 2050000 |
MAX_LATENCY (最大値 µs) | 22204 | 1689858 | 2086066 | 2076182 |
STDDEV_LATENCY (標準偏差) | 1481.09 | 453677.57 | 632122.26 | 543360.44 |
東京リージョンから計測
東京リージョンから計測すると、以下のようになります。
ロンドンリージョンとのレイテンシは220〜230msで極めて安定したレイテンシになっています。他のヨーロッパのリージョンも同程度のレイテンシになっています。
安定したレイテンシは、re:Invent 2016でHamilton先生が話していたリージョン間を繋いでいる専用線の効果だと思われます。
リージョン | ロンドン | アイルランド | フランクフルト |
---|---|---|---|
MIN_LATENCY (最小値 µs) | 220775 | 213472 | 235391 |
MEAN_LATENCY (平均値 µs) | 220885.71 | 213827 | 235543.76 |
P90_LATENCY (90パーセンタイル µs) | 228888 | 219111 | 238809 |
P99_LATENCY (90パーセンタイル µs) | 229777 | 220000 | 239761 |
MAX_LATENCY (最大値 µs) | 220968 | 221916 | 236355 |
STDDEV_LATENCY (標準偏差) | 46.71 | 1227.52 | 165.64 |
ロンドンリージョンから計測
ロンドンリージョンから他のヨーロッパのリージョンに対してレイテンシを計測すると、以下のようになります。
ロンドンからのレイテンシは、アイランドは11ms程度でフランクフルトは17ms程度となっています。直線距離でアイルランド(ダブリン)は470km、フランクフルトは630kmなので、レイテンシの差は距離相応と言えます。
リージョン | アイルランド | フランクフルト |
---|---|---|
MIN_LATENCY (最小値 µs) | 11181 | 17109 |
MEAN_LATENCY (平均値 µs) | 11327.99 | 17237.63 |
P90_LATENCY (90パーセンタイル µs) | 11902 | 17900 |
P99_LATENCY (90パーセンタイル µs) | 11993 | 17989 |
MAX_LATENCY (最大値 µs) | 15143 | 17582 |
STDDEV_LATENCY (標準偏差) | 160.29 | 49.22 |
さいごに
ロンドンリージョンの追加で、ヨーロッパには3箇所のリージョンが配置されることになりました。リージョン間のレイテンシも小さいためヨーロッパ地域内でのDRも比較的容易に準備ができそうです。
ロンドンリージョンがあるイギリスにはEUの離脱問題があります。今後はヨーロッパにEUデータ保護規則に影響するリージョンと影響しないリージョンが出てくることになります。データの配置を柔軟に考える必要が出てくるかもしれません。